遺産分割協議はやり直せるか

 遺産分割協議とは相続人全員が話し合いをして遺産の分け方を決める話し合いのことです。相続人全員の合意が取れて遺産分割協議が整った場合は一般的には書面に残しますが、この書面のことを遺産分割協議書と言います。

一度まとまった遺産分割協議をやり直すということはあまりありませんが、中には何かしらの事情により遺産分割協議をやり直したいということもあるでしょう。それでは、一度相続人全員の合意が取れた遺産分割協議を後でやり直すことはできるのでしょうか。

 原則として遺産分割協議のやり直しはできない

原則として遺産分割協議をやり直すことはできません。相続人全員が話し合って全員の合意で遺産の分け方を決めており、遺産分割協議は終了しているからです。

 遺産分割協議のやりお直しが認められる場合もある

しかし、一定の場合には遺産分割協議のやり直しをすることができます。一定の場合とは下記の二つの場合です。

 

①遺産分割協議に無効事由があること

②遺産分割協議は有効だが相続人全員がやり直しの合意をしていること

 

①遺産分割協議に無効事由があること

遺産分割協議に無効事由があることというのは相続人の一部が欠けていたり、相続人以外の者が遺産分割協議に参加していた場合です。遺産分割協議は相続人全員で行う必要があるので、一人でも欠けていたり相続人の資格がない人が参加した遺産分割協議は有効になりません。ケースとしてはあまりありませんが、戸籍に誤りがあり相続人でないのに相続人となっていた場合や相続人排除の審判を受けた場合、婚姻、縁組、認知が無効になった場合等が考えられます。また、遺産分割協議が詐欺や脅迫により行われた場合も無効(もしくは取り消し)となります。 

②遺産分割協議は有効だが相続人全員がやり直しの合意をしていること

遺産分割協議のやり直しについて相続人全員の合意がある場合も遺産分割協議のやり直しができます。

判例でも「共同相続人の全員が、既に成立している遺産分割協議の全部又は一部を合意により解除した上、改めて遺産分割協議をすることは、法律上、当然には妨げられるものではなく、遺産分割協議の修正も、右のような共同相続人全員による遺産分割協議の合意解除と再分割協議を指すものと解されるから、許されないものではない。」(最判平成元・二・九民集四三・二・一)として、相続人全員の合意がある場合には遺産分割協議のやり直しも可能としています。もっとも、遺産分割が家庭裁判所を通じて調停や審判で行われた場合は相続人全員の合意があっても特別な事情がない限りやり直しはできません。 

遺産分割協議のやり直しは税金がかかることがあるので注意

遺産分割協議のやり直しをする場合、税務上は遺産分割協議のやり直しという概念がないため、所得税や贈与税の税金がかかることになります。税金が多額になることもあるので、遺産分割協議のやり直しをする場合は一度税理士に相談した方が良いでしょう。

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