空き家特例とは

被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例のことで相続や遺贈により取得した被相続人居住用家屋や家屋の敷地等を売却し一定の要件を満たす場合に譲渡所得税が優遇される制度です。

譲渡所得の金額から最高3,000万円まで控除されますので、要件を満たす場合は積極的に活用したい制度です。

 譲渡所得税とは?

所有している土地、建物、株式貴金属などを売って得た利益に対して課税される所得税や住民税のことを譲渡所得税と言います。そのため、所有している不動産を売却して利益が生じている場合には譲渡した側(売買の場合は売主)にも税金が課税されることになります。相続した空き家を売却した場合も譲渡所得が発生する場合には譲渡所得税を納める必要があります。

 譲渡所得税の計算式

譲渡所得税は譲渡所得に譲渡所得税の税率(20.315%~39.63%)を乗じて計算されます。譲渡所得は以下の計算式で計算されます。

譲渡所得=収入金額-譲渡費用

 

2013年から2037年までは復興特別所得税(基準所得税額×2.1%)が上記とは別に課税されます。

空き家特例を使うと譲渡所得が最高3,000万円まで控除される!

上述の通り、空き家を売却して譲渡所得が生じている場合譲渡所得税を納める必要があります。もし1000万円の譲渡所得があれば低い税率でも200万円以上税金がかかる計算になりますので、かなりの負担だと言えます。

ここで活用したいのが空き家特例です。この制度を利用した場合、譲渡所得が生じていても最高3,000万円までの部分は税金がかからなくなります。非常にメリットの大きい制度ですので、利用できる場合は積極的に活用することをおすすめします。

 空き家特例の要件

空き家特例は全ての相続によって生じた空き家の売却に使える制度とはなっておらず、適用を受けるには次の要件を満たすことが必要です。

 ①相続日から起算して3年を経過する日の属する年の12月31日まで、かつ、特例の適用期間である平成28年4月1日から令和5年12月2¥31日までに譲渡すること

➁相続開始の直前において被相続人の居住の用に供されていたものであること

③相続の開始の直前において当該被相続人以外に居住をしていた者がいなかったものであること

④昭和56年5月31日以前に建築された家屋(区分所有建物を除く。)であること

⑤相続の時から譲渡の時まで事業の用、貸付けの用又は居住の用に供されていたことがないこと(相続した家屋を取り壊して土地のみを譲渡する場合には、取り壊した家屋について相続の時から当該取壊しの時まで事業の用、貸付けの用又は居住の用に供されていたことがないこと、かつ、土地について相続の時から当該譲渡の時まで事業の用、貸付けの用又は居住の用に供されていたことがないこと)

⑥売却代金が1億円以下であること

⑦家屋を譲渡する場合(その敷地の用に供されている土地等も併せて譲渡する場合も含む。)、当該譲渡時において、当該家屋が現行の耐震基準に適合するものであること

⑧売った家屋や敷地等について、相続財産を譲渡した場合の取得費の特例や収用等の場合の特別控除など他の特例の適用を受けていないこと

⑨同一の被相続人から相続又は遺贈により取得した被相続人居住用家屋又は被相続人居住用家屋の敷地等について、この特例の適用を受けていないこと。

⑩親子や夫婦など特別の関係がある人に対して売ったものでないこと

 

参考URL(国税庁のサイトに飛びます)

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3306.htm

期限に注意

空き家特例を利用するにあたって特に注意が必要なのはこの制度を利用するには期限があることです。空き家を相続した場合、そのままにはせずに相続した空き家を今後どのように扱うかを決めて手続きをしっかりと行うことが大切です。

 

令和3年5月29日掲載

この記事は掲載時点での法律を前提に作成されております。

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