川崎・横浜エリアで相続税がかかりやすくなった理由と対策

1. 相続税、いまや一部のお金持ちだけの話ではありません

相続税はお金持ちだけに関係があると思われていませんか？
実はそれ、もう昔の話です。
2015年（平成27年）に基礎控除額（相続税がかからない金額）が引き下げられてから、相続税の対象になる人は一気に増えました。さらに近年の地価上昇が追い打ちをかけ、川崎や横浜のように都市開発や人気エリアが多い地域では、普通の家や土地でも相続税がかかるケースが増えているのです。
国の相続税の税収は3兆5523億円にものぼり、過去最高だった前年度に次ぐ規模にもなっているといいます。土地価格の算定基準となる路線価は、全国の標準宅地の平均変動率が7年まで4年連続で上昇しています。
つまり、うちは土地と自宅だけだから大丈夫という考えは、今ではとても危険です。

2. なぜ相続税がかかる人が増えているのか？

相続税が他人事ではなくなった背景には、次の2つがあります。

①基礎控除額が大幅に下がった

以前は「5,000万円＋1,000万円×相続人の数」でしたが、現在は「3,000万円＋600万円×相続人の数」。
例えば「夫婦と子ども3人」の家庭なら、昔は9,000万円まで非課税でしたが、今は5,400万円までしか非課税になりません。

②地価が上がっている

川崎・横浜は再開発や交通の利便性で地価が高騰しています。
みなとみらいや武蔵小杉、新横浜などはもちろん、郊外でも駅近の住宅地は評価が上がっています。
その結果、相続財産が増えていなくても土地の評価額が上がった影響で基礎控除を超えるケースが多くなっているのです。

3. 自宅の土地だけでも課税されるケースが続出

財産といっても、家と土地くらいという方も多いでしょう。
ところが相続税は、現金の有無ではなく、財産の評価額に基づいて計算されます。

• 自宅の土地が駅近で路線価が高い
• 2世帯住宅で土地が広い
• 親名義のままの不動産が複数ある

こうした場合、現金をほとんど持っていなくても相続税がかかることがあります。
しかも、相続税は亡くなった日の翌日から10か月以内に申告と納税をしなければなりません。
現金が足りないと、不動産を売却したり借入をしたりして納税資金を準備しなければなりませんが、これらは時間がかかるので申告期限に間に合わなくなり、結果として期限切れによるペナルティが課される危険が生じます。税金の手続きはシビアで基本的に税務署は待ってくれませんので、申告期限までに納付まで済ませる必要があります。

4. 知らなかったでは済まされない！申告のポイント

相続税の申告をするには、ただ税額を計算するだけでは足りません。

• 被相続人の戸籍を出生からすべて集めて相続人を確定
• 不動産の登記簿・固定資産評価証明書・地図資料を収集
• 預金・株式・保険などすべての財産をリスト化
• 小規模宅地等の特例など、節税できる制度を確認

これらを正しく進めて、はじめて過不足のない申告ができます。
制度を知らずに申告をすると、本来払わなくていい税金を余分に払ってしまうこともあるのです。

5. 専門家に相談するメリット

相続税は、ちょっとした判断の違いで数百万円単位の差が出ることもあります。
例えば…

• 自宅土地に小規模宅地等の特例を適用できれば、評価を最大80％下げられる
• 評価の仕方（角地・狭い土地・奥行きが長い土地など）で減額が可能になる
• もし申告後に評価が見直されたら、「更正の請求」で税金が戻ってくることもある

こうした判断は、自分だけでは難しいものです。相続に強い税理士などの専門家に相談することで、損をしない正しい申告ができます。

まとめ

相続税はお金持ちだけの税金ではなくなりました。
基礎控除の縮小と地価上昇で、普通の家庭でも対象になるケースが増加中です。
川崎・横浜エリアは地価上昇が続き、特に注意が必要です。
正しい申告や節税のためには、専門家への相談が早めに安心です。
当事務所（武蔵小杉駅前）では、相続人調査、財産調査、遺産分割協議書の作成、相続登記、預金や有価証券などの相続手続きのサポートが可能です。調査で基礎控除額を超えて相続税申告が必要なった場合は相続税に強い税理士より相続税の申告サポートまでワンストップでサポートが受けられます。
「うちはかかるのか不安…」という段階からでもお気軽にご相談ください。初回相談は無料です。

令和7年9月17日掲載

※この記事は掲載時点での法律を前提に作成されております。

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投稿日2025年9月17日

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相続手続きコラム

この記事を監修した司法書士・行政書士

司法書士法人グランツ代表司法書士 松田　卓也

保有資格

司法書士・行政書士・宅地建物取引士・民事信託士・管理業務主任者・初級シスアド

専門分野

相続・遺言・民事信託・相続放棄・不動産売買

趣味

旅行・料理・法律の書籍を読み漁ること

経歴

司法書士法人グランツの代表を勤める。大学生の頃に亡くなった父の相続で苦労した経験から相続の専門家を志し、平成 25 年に司法書士試験合格。相続専門の司法書士・行政書士事務所で実務を経験し平成 29 年に武蔵小杉で開業。「専門家の目を行き届かせて円満相続を実現し、家族の幸せに貢献する」をモットーに日々相続業務に取り組んでいる。相談件数2500 件（令和 4 年 7 月現在）以上の豊富な経験から相談者からの信頼も厚い。