葬儀費用は誰が負担する?

相続では葬儀費用を誰が負担するのかが問題になることがあります。それでは、葬儀費用は法律上では誰が負担することになっており、また、遺産分割で誰が負担するかを決めることができるのでしょうか。今回のコラムでは葬儀費用は誰が負担することになるのか、また、遺産分割で負担者を決めることができるのかについて解説します。

葬儀費用は誰が負担するのか


葬儀費用は誰が負担するかについては実は法律上の明文の規定はなく、裁判例も一致していないという状況となっています。誰が負担するのかについては説が分かれており、次の4つの説があります。

① 喪主負担説
葬儀費用は葬儀を主宰した喪主が負担すべきとする説です。この説によると負担者は喪主となります。
② 相続人負担説
葬儀費用は相続人で共同して負担すべきとする説です。この説によると負担者は相続人全員となります。
③ 相続財産負担説 葬儀費用は相続財産から支弁すべきとする説です。この説によると相続財産から葬儀費用を支出することになります。
④ 慣習・条理説
葬儀費用の負担は、その地方や親族団体内における慣習または条理により決するべきとする説です。この説によると負担者は一律に決まっているのではなく慣習や条理により決めることになります。

裁判例では喪主負担説が優勢と言われていますが、相続財産負担説を採用している裁判例もあり、立場が確立しているとは言えない状況となっています。

葬儀費用は遺産分割の対象となるか


上記のように葬儀費用については誰が負担するのかについては裁判例でも判断が分かれており明確には決まっておりません。それでは、遺産分割として葬儀費用についても誰が負担するのか決めることはできるのでしょうか。この点、葬儀費用は相続発生後に生じる債務で相続財産そのものとは考えられないため、原則として遺産分割協議の対象とはなりません。
もっとも、将来の紛争を予防する観点からは遺産分割協議書に記載する方が望ましいケースもありますので、葬儀費用は相続後に発生する債務ではあるものの合意を明確にするために相続人全員の合意がある場合には遺産分割協議書に記載することも可能です。実務上も葬儀費用の負担をどうするのかについて遺産分割協議書に記載しておくこともよく行われています。

令和2年12月12日掲載

※この記事は掲載時点での法律を前提に作成されております。

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